共有地、共有知?

toshokanshinko2010-03-05

3月を迎えました。来年度の助成申請をお考えの方はそろそろ申請書の準備に取り掛かるころでしょうか。受付期間は4月1日から4月30日までです。
事務局には今年度の事業報告書が届き始めました。これはいずれ当HPで公開する予定です。また、事業報告書提出後も事業者ブログは継続してお使いいただけますので、ご利用いただきたいと思います。日本病院ライブラリー協会さんや広島大学図書館さんは事業終了後もブログを更新されており、嬉しく思っています。
『日本の公文書』松岡資明著(ポット出版)を読みました。簡明な文章で本質的なことが書かれていますが、132ページからの「デジタル・ジレンマ」に書かれた、デジタル情報の長期保存性が非常に脆弱であるという指摘にはショックを受けました。そしてその脆弱性を補完するためには非常に大きなコストがかかると述べられています。NDLや中央官庁を挙げて資料のデジタル化を推進しようとする今こそ考えなければならないテーマです。また、デジタル情報になってもメタデータ(データのデータ、図書館では書誌データ)が不要になることはないばかりか、むしろ重要性が増すと書かれています。たいへん重要な示唆が含まれている本です。
この本のブックカバーには「書影としての利用はご自由に」という表記があります。これはありがたいですね。そういえば文科省の図書館海援隊のMLに、山中湖情報創造館の丸山高弘さんが自分が制作したシンボルマークの使用に際して、COPYRIGHT(複製権)を放棄するので『(cc) MARUYAMA Takahiro』と表記すればよいと書いておられましたが、同じような精神を感じました。CCは、クリエイティブ・コモンズの意味で、詳しいことは、下記に書いてありますので興味のある方はご参照下さい。http://www.creativecommons.jp/